仕事中や通勤中にケガや病気を負った場合、労働者災害補償保険による補償を受けられる可能性があります。
しかし、労災申請の手続きや認定の基準がわからず、申請をためらっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、労災認定の基準と申請の流れ、認定されるためのポイントを解説します。
労災認定とは
労災認定とは、労働者のケガや病気が労働災害に該当するかどうかを労働基準監督署が判断する手続きです。
労災には、仕事中に発生した業務災害と、通勤中に発生した通勤災害の2種類があります。
業務災害が認められるためには、業務遂行性と業務起因性という2つの要件を満たさなければなりません。
業務遂行性とは、使用者の管理下で業務を行っていた状態であること、業務起因性とは、その業務が原因となってケガや病気が生じたことを指します。
労災認定の申請の流れ
労災が発生した場合は、速やかに会社へ状況を報告し、まずは医療機関を受診しましょう。
労災指定病院であれば窓口での費用負担なしに治療を受けられますが、労災指定病院以外を受診した場合は一旦自己負担となり、後から申請によって還付を受けることができます。
次に、労災申請書を作成します。
申請書は、労働基準監督署や厚生労働省のウェブサイトから入手可能で、会社の証明欄への記入を依頼したうえで、所轄の労働基準監督署へ提出します。
提出後、労働基準監督署による調査が行われ、業務との因果関係などを総合的に判断したうえで、認定または不支給の決定が通知される流れです。
労災認定されるためのポイント
労災認定を受けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要となります。
- 証拠の収集と保全
- 医師への症状の正確な説明
- 会社が対応しない場合の対処法
まず、事故発生時の状況を記録した写真や目撃者の連絡先、業務内容がわかる資料などを早めに収集しておきましょう。
また、診断書は労災認定において重要な証拠となるため、いつ、どのような状況でケガをしたのかを医師に正確に伝え、業務との関連性が伝わるように説明することが大切です。
そして万が一、会社が労災申請の協力を拒否したり、労災ではないと主張して申請を妨げたりする行為があった場合は、労災隠しにあたります。
労災隠しは、労働安全衛生法違反として50万円以下の罰金が科される罪です。
会社の協力が得られない場合でも、労働者が労働基準監督署へ直接申請することが可能です。
不支給決定がなされた場合の対処法
不支給決定に不服がある場合は、決定通知を受けた日の翌日から3か月以内に審査請求を行うことができます。
審査請求でも認められない場合は、再審査請求または不支給決定の取消訴訟へと進むことができるため、諦めずに弁護士へ相談することをおすすめします。
まとめ
労災認定は、業務遂行性と業務起因性の2つの要件を満たすかどうかが重要なポイントです。
労災かもしれないと思った場合や、労災認定を受けるための客観的な証拠が集まらずお困りの場合は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。