養育費は、子どもの監護や教育のために必要な費用のことです。
すなわち、子どもが経済的・社会的に独立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。
子どもを監護している親は、他方の親から養育費を受け取ることができ、離婚によって親権者でなくなった親であっても、親として養育費支払義務を負います。
それでは養育費の相場はどのくらいなのでしょうか。
本稿では、養育費の相場や養育費を計算する際のポイントについて解説していきます。
養育費の相場
養育費の相場は世帯の種類によって異なりますが、月額2〜5万円となります。
厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、養育費の平均は、母子世帯で月額50,485円、父子世帯で26,992円となっています。
母子世帯の平均年収が父子世帯に比べて約200万円少ないことから養育費が高額になるケースが多いです。
そのため、養育費の平均においても、約23,000円の差があるといえます。
この調査におけるサンプル数は2,653名ですが、その5倍ほどのサンプル数を調査した翌年の最高裁判所の司法統計でも似たような結果が出ています。
この統計では夫から妻に養育費が支払われているケースの金額として、月額2万円〜4万円の世帯が全体の30%ほどであり、次いで多い月額4万円〜6万円の世帯が全体の25%ほどとなっています。
養育費の計算方法とポイント
養育費については、基本的に父母双方の収入、子どもの数と年齢によって算出されます。
ポイントとしては、養育費を支払う側の年収が高く受け取る側の年収が低い場合は養育費が高くなり、逆の場合は養育費が低くなる点、また子どもが多いほど養育費も高くなり、子どもが大きくなるにつれ学費も高くなるため15歳以上になるとそれまでの年齢よりも養育費は高額になることです。
養育費を算出する方法としては二つの方法が考えられます。
養育費算定表から、養育費の目安を算出することができます。
養育費は、個別的な事情を考慮し決まるため、必ず算定表の通りになるわけではないですが、算定表の金額は大きな目安となります。
算定表の見方としては、まず、子どもの年齢や人数に見合った表を選択します。
表の縦軸で債務者を支払う親の収入と職業を確認し、横軸で養育費を受け取る親の収入と職業を確認し、交わった欄の金額が目安となる養育費となります。
もっとも、弁護士などの専門家ではない一般の方にはこの養育費算定表の見方も簡単ではありません。
養育費自動計算機とはweb上で養育費の目安を簡単に計算できるツールです。
親の年収、職業、子どもの年齢などを入力することよって、手軽に1ヶ月あたりの養育費の目安を知ることができます。
しかし、養育費算出にあたっては個別的な事情を考慮する必要があるため、まずは弁護士などの専門家にご相談されることをおすすめします。
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