離婚調停は、夫婦間の協議がうまくいかないときに、家庭裁判所に仲裁役となってもらい、話し合いで解決を目指す方法です。
調停は争いではなくあくまで話し合いなので、双方の合意がなければ成立しません。
今回は離婚調停が不成立になった場合に必要となる対応について考えていきたいと思います。
離婚調停が不成立になった場合の対応
離婚調停が不成立になった場合の対応は大きく次の2つに分けられます。
それぞれ確認していきましょう。
再度離婚協議や調停を行う
離婚調停が不成立だった場合の対応として、一定の冷却期間を設けて再度協議や調停を行う方法があります。
離婚調停を行っていたということは、配偶者とすでに別居している状態であることが少なくありません。
相手と物理的に距離がある状態が続いた場合、感情的な整理がつく傾向にあります。
初めに協議や調停を行ったときよりも、お互いが離婚の条件について冷静に話すことができ、離婚の合意を得られる可能性が高くなります。
離婚訴訟を検討する
離婚調停が不成立だったときに行える手段として、離婚訴訟が挙げられます。
そもそも離婚の可否を争う場合、夫婦間の協議がうまくいかなかったからといって、すぐに訴訟を起こせるわけではありません。
離婚訴訟を提起する条件として、離婚調停が不成立で終わり、かつ、離婚する理由が法律で定められている夫婦関係が破綻している事由にあてはまることがあります。
そのため、調停が不成立となり、訴訟によって離婚の成立を目指す場合には、夫婦関係が破綻している事由があること、またそれを証明する証拠書類などを準備する必要があります。
夫婦関係が破綻しているとみなされる事由としては次のように定められています。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上生死不明
- 配偶者が強度の精神疾患で回復が見込めない場合
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
夫婦関係の破綻というと、夫婦のうちどちらか一方の言動によって引き起こされるものとイメージしがちですが、行方不明や病気などによってコミュニケーションがとれなくなるというような外部的要因でも認められることもあります。
離婚訴訟を検討する場合には長期化を覚悟する必要がある
離婚調停が不成立に終わった後、訴訟によって離婚の成立を目指す場合の注意点として、争いが長期化する可能性がある点です。
特に原告の主張を被告が完全に拒否していたり、争点が多かったりすると長期化する傾向にあります。
離婚訴訟の平均審理期間は1年程度といわれていますが、状況によっては2年以上終結しないということもあります。
さらにいうと、被告が判決に不満を持ち、控訴や上告を行った場合には、時間がかかることになります。
まとめ
今回は、離婚調停が不成立になった後の対応について考えていきました。
調停が不成立になると、訴訟しか選択肢がないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、訴訟は終結するまでに時間がかかる可能性が高く、また準備すべきことが多くあるため、身体的、精神的に疲弊してしまう可能性があります。
自力での解決は不利な結果つながりかねないので、困ったときには弁護士に相談することを検討してみてください。