自己破産とは、収入や財産が足りないことにより借金が返済できない状態である「支払い不能」(破産法2条11号)に陥った場合に、債務者が裁判所に対して破産申立書を提出して破産宣告を受けることで、借金の支払い義務の免除(免責)がされることをいいます。
自己破産をしてもすべての債務が免責されるわけではなく、養育費や悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償債務、従業員に対する代金支払い債務等については支払い義務が残存します。
自己破産にかかる費用
上述の通り、自己破産をするためには裁判所への申立てが必要であることから、裁判所費用を準備しておく必要があります。
また、自己破産手続きを専門家に依頼する場合には、裁判所費用に加えて依頼費用も必要です。
自己破産費用は事件の内容によって大きく異なりますので、それぞれについて以下で詳細に説明します。
①同時廃止事件
破産申立人に貯蓄や所有不動産がなく、換価することのできる財産がない場合には、同時廃止事件として処理されます。
この場合、後述する2つの事件よりも簡易的な手続となります。
そのため、必要費用総額も最も少なく抑えることができ、裁判所費用目安が1~3万円、弁護士費用が25~30万円で合計目安が最低30万円ほどです。
②管財事件
上述した同時廃止事件に該当する場合と異なり、破産申立人に換価可能な財産がある場合には管財事件として処理されます。
管財事件は同時廃止事件よりも複雑な手続となることから、破産管財人の選任費用や破産申立人の財産換金手続のための費用が必要になります。
そのため、裁判所費用として約50万円、弁護士費用として30~80万円が必要となり、合計費用の目安は最低約80万円ほどです。
③少額管財事件
管財事件に該当する場合であって、換価できる財産がそれほど多くない場合には少額管財事件として処理されます。
この場合、換価可能な財産が少ない分、換金のための費用が通常の管財事件よりも抑えられることとなる結果、具体的な費用目安は、裁判所費用が約20万円、弁護士費用が30~50万円と全体的に通常の管財事件の場合より低額となり、合計費用の目安は最低約50万円ほどです。
自己破産にかかる費用を払えない場合の対処法
上記のように、通常、自己破産には多額の費用が必要です。
自己破産にかかる費用を払えない場合には、以下のような対処方法があります。
①法テラスの利用を検討する
法テラスとは、正式名称を「日本司法支援センター」という、国が設立した法律相談窓口のことをいいます。
法テラスの無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用することで自己破産費用が抑えられる可能性があります。
②専門家依頼費用の分割払い
依頼する専門家によっては依頼費用の分割払いに応じてくれる場合があります。
これについては、依頼の際に依頼費用の分割払いが可能かどうか、確認をしておきましょう。
債務整理でお困りの方は高下謹壱法律事務所にご相談ください
今回は、自己破産にかかる費用について解説していきました。
高下謹壱法律事務所では、債務整理に詳しい弁護士が在籍しています。
お困りの方はお気軽に一度ご相談ください。