遺言執行者とは、遺言者の意思を実現するために相続手続きを実施する法律上の代理人です。
遺言執行者がいることで、相続登記や預貯金の解約などの手続きをまとめて進めることができ、相続人同士のトラブルを防ぐ効果も期待できます。
本記事では、遺言執行者の選任方法や弁護士を選任するメリットなどを解説します。
遺言執行者の選任方法
遺言執行者の選任方法は以下のように2種類あります。
遺言書に記載して指定する
遺言執行者の選任方法としてもっとも一般的なのは、遺言書に遺言執行者を指定しておく方法です。
指定したい者の氏名や住所、生年月日などを記載し、遺言執行者に指定すると明記することで、遺言者の死後にその権限が与えられます。
ただし、指定された者が就任を拒否する場合もあるため、遺言書を作成する前に本人に相談して承諾を得ておくことが大切です。
また、指定した者が先に亡くなってしまったときのために、第二候補者を記載しておくことをおすすめします。
家庭裁判所に選任を申し立てる
遺言書に遺言執行者の指定がないときや、指定された者が就任を辞退した、または亡くなった場合は、利害関係人が家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てることができます。
利害関係人は、相続人や受遺者、債権者などが該当します。
申し立てから選任までの期間は、事案の複雑さにもよりますが、1〜3か月程度を要するケースが多いとされています。
家庭裁判所によって選任される遺言執行者は、弁護士などの専門家や、紛争のおそれがないケースでは利害関係のない親族などが一般的です。
遺言執行者に選任できる者とできない者
遺言執行者には、原則としてどのような者でも就任できますが、法律上、未成年者と破産者は選任できません。
また、法人を遺言執行者に選任することは可能で、弁護士法人や信託銀行などが選任されるケースもあります。
相続人の中から遺言執行者を選任することも可能ですが、感情的な対立がある場合や分割方法を巡って紛争が生じる可能性があるときは、弁護士などの専門家を選任することが無難です。
弁護士を遺言執行者に選任するメリット
弁護士を遺言執行者に選任するメリットは、相続手続きに関する専門的な知識をもとに、迅速かつ正確に手続きを進めることができる点です。
また、遺言執行の段階で相続人同士の紛争に発展した場合でも、弁護士であればそのまま代理人として交渉や調停、裁判まで一貫して対応することができます。
中立的な立場から手続きを進めることができるため、親族同士の感情的対立が懸念される場合には特に弁護士の選任をおすすめします。
まとめ
遺言執行者は、遺言者の意思を実現するうえで重要な役割を担います。
遺言書を作成する際は遺言執行者の指定までセットで検討することが大切であるため、選任方法や人選についても早めに弁護士へ相談することをおすすめします。